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第87話

その夜、寝室で俺は翔に 毅然とした態度で宣言した。 「しばらくお預けだからな。ヤんないぞ。」 「えーーーっ!智…なんで?俺のこと嫌いになった?キスマークのことなら謝るから… どこが悪い?直すから言ってーーー!」 おい、キャラ崩壊してるぞ。 「だ・か・ら、俺は有休終わるから仕事なの! お前に付き合ってたら…身体がもたない。 しばらくオーバーワークになるし、お前とあんなことしてたら仕事にならないんだって!!」 「そんなっ!俺、智不足でウサギになる…」 ウサギ? あぁ、ほっとくと寂しくて死んでしまうってことか。 頭をすりすりと擦り付けて甘えてくる翔は、今にも泣きそうだ。 いったいいつの間にこんな甘えん坊&泣き虫になったんだ? お前の俺様キャラはどこ行ったんだよ。 「…仕方ないな…休みの前の日は…よしとするか…」 「えー、新婚なのに週イチ??」 「文句があるなら、それも無しだな。」 「…我慢する………でも抱きしめて一緒に寝たいっ」 翔は目に涙を一杯溜めて、訴えてくる。 「…手ぇ出してくるなよ、約束破ったら即別々に寝るからな。」 「承知致しました!」 おい翔、俺の身体がほしいだけか? 釈然としないが… でも翔、お前かわいすぎてホントは抱かれたい… いや、つけあがるから黙っとこう。

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