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第92話
頭がぼんやりする。
ここ、どこだ?
俺は一体…そうだ。会社を出てすぐ見知らぬ男に殴られて…
ん?身体どうなってんだ?
まだしっかり意識の戻らないまま、ぐるりと視線を巡らすと、両手は手首で纏められ、頭上に拘束されベッドに括られている。
両足もそれぞれ紐で括られ、足元のテーブルに繋がれている。
一体どういうことだ?なにが起こってる?
外そうと手足を動かしても全くびくともしない。
少しずつクリアになる視界の中に、見るからにラブホテルといった風の部屋の間取りが飛び込んできて、開けっ放しのドアの向こうに見えたソファーには、男が三人と女が一人座っていた。
さっき俺に話しかけてきた男が
「おや、お目覚めみたいだな。
今からイイことしてやるから、楽しみにしときな。」
とニヤつきながら言い、抵抗できない俺の口になにか液体を流し込み鼻を摘んで飲み込ませた。
「うぐっ、ゲホッ、ゲホッ」
この状況…マジでヤバいぞ…
「ゲホッ、コホッ…あんたら一体誰なんだ?
俺はあんたらのこと知らないんだが、なんでこんなことやってんだよっ。」
「ふん、なかなか威勢のいい兄ちゃんだな。
美形だし、肌もキレイだ。これは相当楽しめそうだぜ。」
「俺達と遊んでるとこを撮ってさ、あんあん啼いてるとこを五十嵐さんに見てもらうんだよ。」
「五十嵐?あんたら翔とどういう関係なんだよ。」
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