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第99話
翔はドアをわざと開けていったので、隣の声は全部聞こえてくるはず。
俺は布団から顔を出し、身体を縮こませて襲ってくる快楽と戦いながら、耳をそばだてて聞くことにした。
「あの三人は金で雇われて似たようなことを繰り返して、警察でもずっと追っていたんです。
ネットにも完全に未成年だとわかる強姦動画を流したり、クスリを売りさばいたり、やりたい放題でした。
もう、絶対シャバには出てこられないようにしてやりますよ。
任せて下さい。
で、そちらのお嬢さんの処遇はどうしますか?
あの男達と組んで、随分派手にやらかしてたそうですね。
自分が気に入った男性の相手に、あの男達をけしかけて強姦させて別れさせたり、裏ビデオを販売したり…こちらもかなりの被害が…
でもあなたの圧力で揉み消してた。
そうですよね、池森官房長官。」
官房長官?あの現職の?ということは、あの女は…
「そうだ、その通りだ。弁解の余地もない。
本当にうちの娘がとんでもないことを仕出かして、なんとお詫びをしてよいのか…
五十嵐君、そして君の伴侶にも大変な迷惑をかけて…」
「パパ、なんで謝ってんのよ。五十嵐さんを横取りしたあの男を懲らしめてやってなにが悪いのよっ。」
「まだそんなことを言ってるのか!
いい加減にしろっ!
五十嵐さんはお前のことなんか最初から眼中にないってわかってただろう!」
「どうしてよっ!こんなに美人で頭のいい私に靡かないはずはないわっ!」
「麻里香っ!」
バッシーーーン
ぎゃーーーーっ
ポスッポスッ
何かを叩いた音と悲鳴とバウンドする音が部屋に響いた。
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