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第101話
「俺の意見も先に聞いてもらえませんか?
そうですね…例えば
臓器売買のために海外に売り飛ばして、日本に戻れないようにするか、
どこかの組織の泡に沈めて、日の当たる場所を歩けないようにするか、
いろんな罪をでっち上げて逮捕して、一生塀の中で過ごさせるか…
なんなら、そのオンナが仕掛けたように、複数の男達に襲わせてビデオに撮って売りさばきましょうか?
このうちのどれか…
官房長官、俺、本気ですから。
智を傷つけた代償はきっちり払っていただきますよ。
それと…
あなた、今日から俺の店 出入り禁止です。例えどなたかと一緒でも。」
ピキンとその場の空気が凍ったのがわかった。
その場の誰もがこの男の本気の怒りに慄いているはずだ。
翔の店は政財界を始め、あらゆるジャンルのトップが利用し、秘密裏の会合や取引などがそこで行われている と教えてもらっている。
その店への出禁ということは、全ての社会的地位を失うということに等しいはず。
恐ろしいことを言っているのに、俺には、それが俺に対する強い愛の言葉にも思え、抑えていた身体の熱がぶり返してきた。
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