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第102話

我慢していた熱がぶり返して限界を超えそうだった。 触れている布団の衣摺れでさえ、ビリビリと皮膚を犯してくるようだ。 「あふっ、ふっ、ふっ」 枕の端を噛み声を抑え、身体の奥から湧いて出るような欲情に耐える。 隣の部屋ではまだ、話が続いているようだ。 翔、早く、早く来て…。 「おい、あんた、なんで俺達のこと知ってたんだ? まだ誰も、ほとんど知らないないはずなんだが。」 「…見たのよっ、あの店からイチャつきながら出てくるのを。 だから後をつけて調べさせて…」 「ちっ、マズったな…。 とにかく、俺達は、あんたに一生関わるつもりはない、肝に銘じておくんだな。 館林警視総監、俺の意向は伝えましたし、後のことはお任せします。俺達の怒り相応の処罰を。 よろしくお願い致します。」 「承知しましたよ、五十嵐君。 さあ、お嬢さん、今から事情聴取だ。 自分が今までにやったこと、正直に話してもらうよ。 池森さん、あなたにも来ていただきましょうか。」 「いやっ、嫌よっ、私、何も悪いことなんてしてないじゃないのっ! 嫌っ、離してよっ!」 泣き喚く女の喚き声が響いていたが、ドアを閉める音と同時に聞こえなくなった。

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