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第105話

マンションに着いてからも姫抱きにされたままエレベーターに乗り込んだ俺は、昂ぶる熱を堪えきれず、翔の胸に擦り付いていた。 上昇するエレベーターの速度がいつもより遅く感じる。 部屋に着いて、翔は俺をソファーに下ろすと 「先に手当てをさせてくれ。後でたっぷり愛してやるから。」 と一旦奥に引っ込み、救急箱を持ってきた。 そんなの後でいいから、早く、早く翔ので貫いて… 潤んだ目で翔を見つめる。 瞬間、先程の自分の痴態がフラッシュバックした。 はっ、ダメだ…俺、あいつらに触られて、口ん中に突っ込まれて…… ……俺は、汚い……… 傷の手当てをしようと俺の手を取った翔の手を跳ね除けた。 「智?」優しい瞳が俺の心を抉った。 涙が一筋流れると、もう歯止めが効かなくなった。 「ごめん、翔…俺、あいつらに触られて汚いんだ。 触らないで… 嫌だったのに、気持ち悪くて堪らなかったのに、俺の身体は…反応して…… ごめん、もう、触らないで…」 ポロポロ涙を零す俺を翔が強く抱きしめた。 「翔、ダメだよ…俺もうお前に抱いてもらえる価値がないんだ…離して……」 「ばーか、なに言ってんだよ。 薬盛られたら、みんなそうなるんだ。男だもん、生理現象だから仕方ないんだって。 それに…元はと言えば、俺があの女を野放しにしてたせいだからな。 お前に汚いところなんかないよ。 俺はどんなお前でも愛している。 お前だって、俺のこと愛してくれてるんだろう? ダメだとかなんとか二度と思わないように、お前の身体に上書きして、マーキングしてやるから、覚悟しろよ。

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