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第122話

どちらからともなく寄っていく唇が重なり、長い長いキスをした。 息苦しさを覚えやっと離れた目の先には、欲望を湛えた瞳の翔が、俺を捉えていた。 この獰猛な肉食獣のような男に魅入られた俺はもう逃げることを止め、ただその瞳を挑むように見つめ返した。 「智…」 掠れた声に情欲が混じる。 「智…俺の智…」 愛おしげにささやかれ、子宮もないのに身体の奥がきゅんと切なく疼く。 翔を見つめたまま右手を伸ばしその頬に触れる。 すりすりと手の平に擦り寄る様は、まるで甘える獅子か豹みたいで、俺は猛獣使いにでもなった気分になった。 「翔、いったい甘えん坊はいつになったら治るんだ?」 クスクス笑いながら問いただすと、むうと膨れた顔をする。 「一生治らないよ。『智ほしくてたまらん病』だからな。」 不貞腐れながら、今度は俺をソファーに座らせると、膝に頭を乗せてくる。 俺の顔を下から見上げながら、 「マジで治んねーよ。」 そう呟くと俺の股間に顔を埋めて、すんすんと息を吸い込み鼻先を埋めてくる。 「おい、ちょっとそれ恥ずかしい…」 「いいじゃねーか、好きなんだから。」 もう、どんだけ俺のこと好きなんだよ。 「それ以上はダメだぞ。くっ付いててもいいけど、エッチはなしだ。」

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