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第127話
慣らされた後孔は、翔の指を搦め捕りながら ずぶずぶと奥へと誘う。
いつもの 異物が入ってくる違和感と痺れるような快感とが混ざり合い、びりびりと身体を電流が走っていく。
「ああっ、あんっ、はあっ」
熱い吐息と思わず溢れる甘い声に、翔が嬉しそうに鳴いた。
「にゃおーん、にゃんにゃん」
くっ、こんな時まで猫になるなよっ。
ふざけんな。煽って俺をその気にさせといて。
俺は『猫』じゃなく、素のお前に抱いて欲しいのに…
乱れていく自分を馬鹿にされてる感じがしてきた。
腹立たしさにじわっと涙で潤んだ目で睨み付けると、俺がどうして不機嫌なのかに気付いたのか、指を入れたまま目尻にキスを落としてきた。
「智、ふざけてごめん」
「……………………」
掴んでいた手を外し顔を背け、無言の抵抗を続ける俺に、「ごめんね」とささやきながら、ちゅっちゅっと目尻から順に唇までキスの雨を降らしてきた。
そんなことで俺の機嫌が直ると思うなっ。
無理にしてきたくせに。
俺は腰を動かし、翔の指を振り抜くと、ベッドサイドに落ちていた下着とスウェットのズボンを身につけて立ち上がった。
背後で翔が困惑している空気が流れている。
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