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第131話

ヨロヨロと立ち上がると、泣きながら自分の部屋に戻りベッドに突っ伏した。 俺が上手く甘えられないからかな。構われるのは本当は嬉しくてたまらないのに。 どうやって甘えればいいのかわからない。 加減もわからない。 エッチだって…嫌なわけない。大好きな翔に触って触られて、お互いの肌が触れるとなんとも言えない安心感と心地よさに包まれる、こんな幸せな行為を嫌だなんて思うわけない。 そしてあの熱い楔に貫かれ…愛されてる、愛してると実感できる。 一緒に果てる時の充足感と多幸感… …でも、次の日動けなくなるのだけは嫌だけど。 どうしよう。無視されるほどあんなに怒らせてしまった。 さっきまで蕩けるように優しかったのに、あんなに冷たい目で見られて。 やっぱりお前なんかいらない、愛してなんかいないって言われたらどうしよう。 なにをされても、なにを言われても、翔だけを見つめて翔だけを愛しているのに。 翔の冗談をわかっていて、流せなかった俺のせいだ。 ひぐっ、ぐっ、ひっく、ひぐっ 涙は枕に吸い込まれていく。

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