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第132話

side:翔 俺がふざけて智を揶揄い過ぎて、本気で怒らせてしまった。 エッチはなしだと釘をさされていたのに、調子に乗って智をその気にした挙句、ふざけてその雰囲気を壊してしまった。 そういう行為は俺とが初めての上、男同士の受の立場で。 受けの方が、肉体的にも精神的にも負担が掛かってると知っていながら。 かわい過ぎて愛おし過ぎて大切にしたいのに、滅茶苦茶に汚して虐めたい俺がいる。 無言で背中を向けたまま着替えて、部屋を出て行く智を追いかけることができなかった。 不甲斐ない自分に嫌気がさし、頭を冷やしに行こうと身支度を整え部屋を出ると、バスルームからシャワーの音が聞こえた。 声をかけようとしたが、思い止まってそっと家を出た。 ひたすら海を目指しアクセルを踏み続けて、目的の場所に着いた時にはもう2時間も経っていた。 智は出て行った俺のことを心配してくれているだろうか、それともやっぱり男なんてとこの関係を清算しようと言い出しやしないか。 薬指のリングを触りながら、後悔と智への思いが募っていく。 とにかく謝らないと。どんなことがあっても智の側を離れないし離さないと伝えなくては。 少し冷静になった頭をぶるんと振って俺は再びハンドルを握った。

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