135 / 516

第135話

「ひっく、お、俺の、ひくっ、ことっ、きら、うぐっ、嫌いになっ、ひぐっ、たんじゃ、ひぐっ、ないのか?」 しゃくり上げながらも、途切れ途切れに一生懸命に伝えてくる智が愛おしい。 大の大人の男をこんなにぐちゃぐちゃに泣かせてることに、罪悪感と庇護欲と征服感が入り混じって、気分が高揚してくる。 「どうして?あんなことばっかりして俺の方が嫌われてんじゃないのか?」 「えぐっ、なんで?ひっく、俺…俺は…ひくっ、どんなこと…されても、ひっく、なにを言われ…ひぐっ、てもっ、お前と一緒…にいるって、ひぐっ、決めたんだ、ひっく」 あー、もうダメだ。理性がボロボロ崩れ落ちていく。 智の破壊力半端ねー。 俺はベッドに上り、丸まった智を抱き込むと、その温もりと匂いを堪能しながら背中を撫で続けた。 その間もしばらく えぐえぐと嗚咽は続いていたが、次第に治まっていき、抵抗せずに俺にすっぽりと抱かれている。 「俺だって、絶対なにがあっても離さないよ。 意地悪言ってごめん。 大切にしたいのに反対のことしちまって。 俺ってSっ気体質なのかな…。 ….これからも意地悪するかも…多分、絶対する。 ごめん、先に謝っとく。」

ともだちにシェアしよう!