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第139話

「翔、ごめん…この着信音、課長からだ。出るね。」 俺の肩を申し訳なさそうに押し戻し、智が携帯を取った。 「はい、相沢です。 はい、ええ、お陰様で。…はい、大丈夫です。 え?…………あぁ、はい、はい…承知致しました。 でもよろしいんですか? ええ、では連絡しておきます。 はい、はい。 お世話になります、よろしくお願い致します。 はい、失礼致します。 …課長が、凛を預からせてくれって。 この間、パートナーさんと凛が食事を作る約束をしたんだって。 それで、今日なら時間が取れるからどうしてもって。 お迎えも行ってくれて、そのままお泊まりして明日保育所まで送りますって… ちょっと保育所に電話するね。」 あー、凛のこと忘れてた…伯父さん失格。 ということは…今夜は今から二人っきり。 課長さん、グッジョブ! 俺はウキウキしながら智を待っていた。 電話を終えた智は側に来ると、大きな溜息をついて俺の肩に頭を乗せた。 「俺、自分のことばかりで凛のこと忘れてた。 親父失格だよな。 寂しい思いをしてるのはあの子なのに。 なんかさ、自分が情けないよ。 守達の分も、それ以上に大事にしてやらなきゃいけないのに。 」

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