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第140話
「うー、ごめん、実は俺も忘れてた。
でもさ、俺達の仲が良ければ、凛だって安心するだろう?
だから…さっきの続き…な?」
「んー、なんかそんな気分じゃ…」
「智、仲直り、するんだろ?」
哀願するように智の目を見つめると、ふーっと息を吐いて、
「せっかく課長が作ってくれた時間だからな…
でも、もう俺達仲直りしてるじゃん。」
「そんなつれないこと言わないでくれよ。
俺…お前を抱きたい。」
その言葉に智は、ぼっと音が出そうなくらい顔を真っ赤にして俯き呟いた。
「…だから…こういうのに慣れてないって言ってるじゃないか…
それに
今は、俺…お前にギュッとされたままお前の鼓動を聞いて、お前の体温を感じて、擦り付いて甘えたい。
だから…エッチは夜でいい?
綺麗にしてからお前と結ばれたい…」
上目遣いでかわいくおねだりされたら、嫌とは言えない。
「うーん、しょうがないな…じゃあ、お楽しみは夜だな。
ぎゅう してやるから…おいで」
智のおねだり通り顔を胸に引き寄せ抱き締めてやった。
うれしそうにぴとりとくっ付いた智とは反対に、俺は、高ぶる欲望を150%の我慢を強いて押さえ、ひたすら忍の字でしばらくそのままの時を過ごした。
蛇の生殺し…
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