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第141話

夜のラブタイムに備えて、俺は気合いを入れて夕食の準備に取り掛かった。 『優しいのがいい』なんて、超かわいいやつ! もう、智が好き過ぎて、俺はおかしくなりそうだ。 智の好きなものばかりにしよう。 茶碗蒸しに、野菜の天ぷら。しじみの味噌汁。 小鉢にはほうれん草の胡麻和えを。 智は、自分で誘った手前、恥ずかしいのか終始顔を赤くしたまま俯いてばかりで、その恥じらう姿が俺の欲望をそそり、知らず知らず俺自身を大きくしているのだった。 「翔、美味しいよ。いつもありがとう。」 うわー、微笑んで小首を傾げるその仕草、反則だよっ。 お前、笑顔で人を殺せるかも。 妙な雰囲気の食事を終え、俺が片付けている間に智はバスルームへ消えていった。 俺のために『綺麗にしてから』って言ってたよな…うん。 妄想と期待が溢れ、俺自身ははち切れそうな勢いでズボンを押し上げていた。 いや、まだ早い。 そんな元気になるなよ、俺の息子。

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