146 / 516

第146話

だから、恋人でダンナだと思ってるお前にそういうことされると…愛情表現の一つだとわかってるし、冗談でしてるのもわかってるんだけど。 俺だって、その…激しくしてほしい時だってあると思うから、『ホントに嫌か』って言われたら、お前限定で、きっと嫌じゃないんだろうけど。 お前が…そういう…SMチックな趣味があるなら… できるだけ、希望に沿うようにはしていくけど… 今はまだ無理…長年のトラウマは消えない。 恐怖感とか、嫌悪感とかが先に立って、妙に冷静な自分がいるんだ。 初めて抱かれた時、半ば無理矢理だったけど、お前だから…俺は嫌じゃなくて、気持ちよくて…… でも… だから、ごめん、痛いのは…嫌なんだ。」 一気に話し終えると、智はまたポロリと涙を零した。 あぁ、俺はなんてことをしでかしたんだ! 智を抱きしめ、頭を撫でながらひたすら謝罪の言葉を口にする。 「ごめん、ごめんな、知らないこととはいえ、お前に一杯嫌な思いをさせちまった… お前が望まない限り、もう、しないから。 智、ごめん。 とろとろになるまで、たっぷり溺愛して気持ちよくしてやるから…」 「…もう、今日は嫌だ。無理。」 「智ぃ…そんなこと言わないで、一緒に気持ちよくなろ?な?な?」

ともだちにシェアしよう!