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第146話
だから、恋人でダンナだと思ってるお前にそういうことされると…愛情表現の一つだとわかってるし、冗談でしてるのもわかってるんだけど。
俺だって、その…激しくしてほしい時だってあると思うから、『ホントに嫌か』って言われたら、お前限定で、きっと嫌じゃないんだろうけど。
お前が…そういう…SMチックな趣味があるなら…
できるだけ、希望に沿うようにはしていくけど…
今はまだ無理…長年のトラウマは消えない。
恐怖感とか、嫌悪感とかが先に立って、妙に冷静な自分がいるんだ。
初めて抱かれた時、半ば無理矢理だったけど、お前だから…俺は嫌じゃなくて、気持ちよくて……
でも…
だから、ごめん、痛いのは…嫌なんだ。」
一気に話し終えると、智はまたポロリと涙を零した。
あぁ、俺はなんてことをしでかしたんだ!
智を抱きしめ、頭を撫でながらひたすら謝罪の言葉を口にする。
「ごめん、ごめんな、知らないこととはいえ、お前に一杯嫌な思いをさせちまった…
お前が望まない限り、もう、しないから。
智、ごめん。
とろとろになるまで、たっぷり溺愛して気持ちよくしてやるから…」
「…もう、今日は嫌だ。無理。」
「智ぃ…そんなこと言わないで、一緒に気持ちよくなろ?な?な?」
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