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第153話
智はぴくんと身体を仰け反らせると、
「ああっーーー」
という声とともに、俺の手の中で果てた。
手の中のものをわざと見せつけるようにべろりと舐めて飲み込むと、智は、はあはあと大きく息をしながら、涙目で
「ばかっ、そんなもん舐めるな!飲むなよっ!
翔はやっぱり意地悪だ。」
と睨んできた。
「お前のものだから飲みたいんだ。
俺の前だけで乱れろって。
俺も…お前の前では、欲に塗 れた ただの獣だよ。
一緒に登りつめてお前の中でイきたい。
お前をグズグズに溶かして啼かせたい。
俺の手で、俺のモノでイかせたい。
乱れまくるお前が見たい。」
そう告げると、智に口付けた。
蕩けるようなキス。
透明な糸を引いて唇が離れると、智の両手が俺の頬を挟み柔らかな唇を押し当てて甘噛みしてきた。
ちゅ と音を立てて離れると、目を合わせて
「どうしてこんなに…心臓が壊れそうだ…翔、愛してるよ…」
ふにゃりと笑う。
どこまで俺を煽る気なんだ。
もう、歯止めが効かないぞ。
身体中にまた赤い花びらを散らそうと身構えたその時、
ピリピリピリピリピリピリピリ
この場にそぐわない、なんとも無機質な音が鳴り響いた。
俺の携帯…
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