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第155話
智は凛との時間を優先した上、『週末だけ』と約束したとおりに、セックスレスとなり、当然のことながら『仲直りエッチ』も夢と消え、俺の欲求不満はMAXのまま数日が過ぎた。
「ねー、しょう。」
「ん?どうした?凛。なんか嫌いなもんあったか?」
「ううん、ぜんぶおいしーよ!ごちそうさま。
ねぇ、さとしとけんかしたの?」
「んん?なんでだ?ラブラブだぜ。」
「ふぅーん。」
「なんだよ、その『ふぅーん』って。」
「だって…さとし、しょうのそばいかないし、しょうは、かお こわいよ。」
げげっ、図星だ。
慢性的『智不足』に陥っている俺は飢える獣のようになり、隙あらばキスしたり腰に手を回したりと、すぐ手を出そうとするので、智は警戒して側に寄ってこないのだ。
「そ、そんなことないぞ。俺達は愛し合ってるぞ。」
「それならいいけど。」
凛、なんでそんなに鋭いんだよ。
頼む、今の俺をそっとしておいてくれないか…
智不足で生きているのが辛い…
智の名前を呼ぶだけでイってしまいそうになる、自分が哀れだ…
「ちゃんとやさしくしないと、だれかにもってかれちゃうよ。」
おい、凛…
これ以上、俺の傷口に塩を塗らないでくれ…
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