166 / 516
第166話
side:智
凛…ピンク色ってなんだ?不思議だけどなんか見えるのか?
ハートが飛んでるって…あー、恥ずかしい。
俺達二人が揃ってたら明らかに『事後』だろっ。
あー、めっちゃ恥ずかしい。うー、やること済ませちまおう。
その日は、掃除に始まり、明日からの出社に備えてワイシャツのアイロン掛けや、凛の保育所の布団の準備やらで、バタバタしていた。
翔も仕事の再開で、生産者さんとの打ち合わせに買い出しと、本来の翔のペースが戻ってきたようだった。
「さて、ちょっと一服しようか。
チーズスフレ作ったから、みんなで食おーぜ。」
「やったー!しょう、だいすきー!」
「やったー!翔、大好きー!〈棒読み〉」
「うっ、照れる……二人ともお礼のキスは?」
ばか、調子に乗るな!
ん?凛、ちゅーしてる…
え…二人でなんで俺のことガン見してんの?
俺?俺も?
んー、仕方ない…頬に ちゅっ のはずが、翔が不意に顔を動かしたせいで、唇にクリーンヒット。
「やったー!ちゅーだ!さとし と しょう がちゅーしたー!」
「凛…黙ってろ…」
「凛、グッジョブ!」
「翔も黙ってろ」
「「はい…」」
俺のテンションの低さに二人共びびって沈黙した…
ともだちにシェアしよう!