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第176話
ガチャ
「あー、本当に来やがった…
あ、翔、お帰り!
一緒だったのか…あ、こいつ同期の秋山。
仕事でこの辺来て俺のこと見かけたらしく、押しかけて来やがって…」
「….どうぞ。忙しいのでお茶しか出せませんが。」
…俺、完全にアウェイ。
二人の冷たい視線にもめげず上り込んだ。
その時に、イケメンの左手の薬指に相沢と同じデザインのリングが目に飛び込んできた。
まさか、相沢の相手って…
「こっちだ。どうぞ。」
通されたリビングは落ち着いた高級感漂うもので、センスの良さを感じさせた。
すぐにコーヒーのいい香りがしてきて、帰宅してすぐなのに、おまけにお呼びでない客を一応もてなそうとしているのがわかった。
「正直に言えよ。で、お前 なにしに来たんだよ。」
冷たい視線のまま、相沢が尋ねる。
「えーっと、その…お前のお相手を見に…後をつけて…」
相沢は、大きな溜息をつくと
「見てわかっただろう。俺の相手は…あいつだよ。」
やっぱり。
ショックで頭をなにかで殴られたような気がした。
「男同士でって思うかもしれない。
でも、俺は…俺達は、月並みな言葉だけど愛し合ってるんだ。
誰かに言いたければ言えばいい。
俺は恥ずかしくもないし、卑下する気持ちもない。」
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