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第184話

なんとか怒涛の一日を終え、やっと家にたどり着いた。 「「ただいまー」」 しーんと静まり返る部屋。 そうか、今夜翔はディナーの仕事だったな。 「ねえ、さとし、しょうがいないとつまんないね。」 「そうだな…でも、俺達のために仕事頑張ってるからさ、今夜は二人で片付けとかしようぜ。」 「はーい、りん、せんたくものたたむね!」 「はい、よろしく!」 翔の残り香がふんわりと部屋に漂う。 愛おしいその匂いを深呼吸して吸い込むと、ずくりと体の奥が疼いた。 自分の身体の反応にどきりとした。 翔のこと言えない…おれも大概エッチじゃんか。 あー、俺も男だよなぁ と一人笑いながらキッチンへ向かう。 冷蔵庫には、タッパーに詰めた二人分のおかずがあるはず。 今日はなんだろう? おっ、鳥の照り焼きにグリーンサラダ。これ美味いんだよなぁ。 具沢山の味噌汁とひじきの煮物。 全部凛の好きなものじゃん。あいつ、大喜びするぞ。 ありがたく夕飯をいただくことにする。 んー、美味い!翔、ありがとう… 明日は西條君達が来る日だったな。 どんな話が聞けるんだろう。すっげー楽しみ。 パートナーさんもどんな人だろう。 俺達みたいなカップルの友人が増えるのは、物凄く心強い。 教えてもらうこと一杯だな… じゃあ、明日のお楽しみは無理っぽいし、一日早いけど、今日は翔の好きにさせてやろう。 そう決めたら、また身体の奥が切なげに疼いた… 、

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