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第189話
身体は火照り血液が逆流しているようで、頭が朦朧として意識が飛びそうになる。
ただただ抉られる襞の絡みと、奥まで届く翔の太い楔の存在感が快楽を呼び込み、羞恥などどこかへ吹き飛ばしていった。
欲望、恋慕、慈愛、支配、共鳴、抑圧…そういった諸々のモノが渦巻き、猛り、お互いの欲を孕み呼び起こしていく…
獣のように交わりながら、俺は喘ぐことしかできず、翔に貫かれていた。
抽挿の速度が増し、打ち付ける音も大きくなる。
「はあっ、智…愛してるよ…」
吐息でささやかれ、もう、おかしくなりそうだった。
「ああっ、はあっ、はあっ、翔っ、ああっ」
「もう…イくぞっ、智…はあっ」
「「あぁーーーーーっ」」
二人同時に果てた。
どくどくと注がれる種の熱さに身体が震える。
翔は、最後の一滴まで絞り出すように、二、三度打ち付け、ぶるっと身震いした。
そのまま抱きしめられる。
耳元で何度も「愛してる」とささやかれ、胸が一杯になってくる。
俺に被さる翔の重みがうれしくて愛おしくて、涙が溢れ、「愛してる」という声がだんだん遠くなっていき…そこで意識が途切れた…
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