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第194話
あっという間にカプレーゼや水菜とスモークサーモンのサラダ、魚介類たっぷりのパエリアは空っぽになり、すぐさま出来立てのラザニアに四種類のパスタが登場する。
その度に歓声が上がり、会話も弾む。
翔は会話に加わりながら、さりげなく空いた皿を片付け、次々と新しい料理を運んでくる。
すげぇなぁ、全然違和感なくテーブルがキレイになっていき、すぐさま熱々の料理が目の前に並べられる。
あっ、ピザも!
翔の仕事の一端を垣間見た気がした。
調理しながら、飲み食い、俺達の話に混じり、みんなを箸の進み具合を見ながら、食器を食洗機に入れて…
バックにお偉方が付いているだけじゃない。
そんなことくらいで、繁盛する訳がないよ。
こいつ、八つくらい目と耳がついてるんじゃないかと思うくらいの気配り心配り…半端じゃない。
料理の腕も超一流だが、所作もスマートで美しくて惚れ惚れと見とれてしまう。
「なんだ、智?惚れ直したか?」
俺の視線に気付いた翔に揶揄われる。
「ばっ、ばかっ!そんなんじゃないって。」
真っ赤になり俯くと、満面笑顔の西條ご夫夫が…
うわーっ、恥ずかしい…
穴があったら入りたい…
そろそろ満腹状態の俺達に、翔はデザートを勧めた。
「ティラミスはいかがですか?」
即座に全員が手を挙げたのは間違いない。
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