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第195話
デザートの頃には、キッチンはすっかり片付いていて、翔は俺の隣に腰を落ち着けた。
「あー、すっごい美味かったです!
もう、腹一杯で超満足…ほんっとにありがとうございます!
俺達の大好物ばかりで…美味かったー!!」
「僕も!本当に美味しかったです!
もう、他のイタ飯屋に行けないですよっ。
あの…図々しいんですけど、レシピって教えていただくことは…」
遠慮がちな西條君に、
「もちろん!ダンナさんに食べてもらってね。」
と、翔はウインク付きの笑顔で返した。
西條君はぽっと顔を赤らめて「ありがとうございます。」と小さな声で答えた。
けっ、このキザ野郎め。
なんで他人様の嫁にウインクするんだよっ。
ばかっ、このスケコマシ。浮気者っ!
ん?これって…まさか
嫉妬??
いやいや、相手はダンナ持ちの西條君だよ!?
あわあわと一人で慌てている俺を見て、翔はニヤニヤ笑いながら、腰を引き寄せて耳元でささやいた。
「ばーか、お前だけに決まってんだろ。愛してるよ、智。」
ぼっと一気に体温が上がり真っ赤になった俺は、急いで席を立つと、
「おっ、大人の時間だから、凛はそろそろ部屋に行こうな。
西條さん達にご挨拶は?」
「おやすみなさい。またきてね。」
凛はとびっきりのキュートな笑顔でおやすみを言うと、歯磨きをしに、洗面所へ消えていった。
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