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第197話
「自分達の結婚式を挙げたくて、この事業を立ち上げたそうですよ。
僕達の時は、課長と峰君にも出席してもらったんだ。」
「えっ、峰君知ってるの?」
「うん。よくお互いが、いい相談相手になってて。
ずっと助けてもらってたんだ。
あ、部署変わったけどもちろん片岡課長にも相談に乗ってもらってるんだ。」
「そうだったんだ、峰が…意外だったな。」
西條さんはアルバムを数冊出してきて、
「これが俺達の時の。あ、これ…そうそう。
チャペルはこんな感じで…
出席してくれたのは、俺の両親と弟、悪友達と、俺の上司ご夫婦、片岡課長と峰君、それとオーナーご夫夫。
タキシードも種類が沢山あるから、色々選べます。他の式場の倍ぐらいあるかも。
式の後は、簡単に立食パーティーみたいな感じにしたんですよ。
金額は…これですね。」
見積りから領収書やら、全部見せてくれた。
アルバムの二人は最高の笑顔で、列席してる人達もみんな満面の笑顔だった。
「すごい…素敵な式だな…」「うん、見てる俺達まで幸せな気持ちになってくる。」
俺は、胸が一杯になって…ポロリと涙がこぼれた。
「智?」
「あ…ごめん。あんまり素敵で…
俺達もこんなにできるのかなって思ったら…」
ふいに目の前が真っ暗になって、身体が締め付けられた。
うぐっ
翔が俺のことを抱きしめていた。
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