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第204話
俺と凛は大量の洗濯と掃除を終え、昼飯のチャーハンを食った後、近所のスーパーへ買い物に出かけた。
メモを見ながら、買い足していく。
へぇー、こんな商品出てたんだ。うわー、こんなのも。
凛は、物珍しさにあちこちで止まる俺を引っ張って、不要な物は容赦なくカゴから棚へ戻していく。
すげぇ、節約主婦顔負け。
「ご飯に関しては、いつも翔にしてもらってばかりで、俺、なーんにもしてなかったんだよな…
少しでも身体休める時間作ってやらないと…」
ぶつぶつ独り言を言っていると、それを聞いていた凛が、
「さとし、しょうは、さとし と りん のためにりょうりするのがうれしいんだよ。
『おいしー!』っていってもらえるのがうれしいんだって。
さとし と りん のこと、ぎゅーってするだけで つかれがとれるんだっていってたよ。」
「ん?あいつ、凛になに言ってんだ?
恥ずかしいじゃんか!
凛も聞くなよー!」
「うふふっ、らぶらぶいいねぇ。」
凛に冷やかされながら、俺達は手を繋いで歩く。
この手から伝わる温もりを愛おしく感じて、
「凛、翔と俺は、お前のぱーぱ と まーま なんだから、なんでも言い合って、時にはケンカもしながら楽しく暮らそうな。」
「うん!さとし、だーいすき!しょうもだーいすき!」
繋いだ手をぶんぶん振って凛が笑う。
守、お前達の分まで、凛はしっかり育てるから…
見ててくれよな。
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