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第205話

買い物を終えた俺と凛は早速餃子作りに取り掛かった。 きっちりとエプロンをして、腕まくりをした凛は、目をキラキラさせている。 「ねぇー、さとしぃ、りんはなにをしたらいいの?」 「そうだな…これなら危なくないか…」 くるくる回るスライサーにキャベツを投入。 回すだけであっという間に微塵切りができる代物。 これなら大丈夫だな…凛に任せる。 その間に俺はネギを細かく切り、生姜をすり下ろし、挽肉と水溶き小麦粉をスタンバイ。 微塵切りのキャベツに塩を振ってギュッと水を絞る。 材料と調味料を全部混ぜ、大判の皮に包んでいく。 「そうそう、これ塗ったらヒダヒダ作って…そう。 凛、上手いじゃねーか。」 「うふっ、りんしぇふとよびなさい。」 「凛シェフ!仰せのままに。」 あははと笑いながら、手を動かし どんどん出来上がっていく。 形はちょっと不恰好なのもあるけど、それはご愛嬌だ。 愛情はたっぷりだぞ。 同時進行で中華風スープも作っていく。 これで、いつ翔が帰ってきてもすぐ食べれるぞ。 うーん、楽しみだな。 この時、翔がお偉いさん相手にしていた無謀な要求が、とうとう決着したことを知らずに、呑気に浮かれていた。 そして、今後の俺達の関係に大きな影響を与えることも。

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