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第208話
法的に夫夫 として認められる…何があっても邪魔されない、家族として…
「おーい、五十嵐くーん、こっちの世界に戻って来てー!」
ぼーっとしていた俺は、ハッとして
「すみません、あまりのことにびっくりして…
ありがとうございますっ!
何よりのお祝いを頂戴致しましたっ!
なんてお礼を申し上げたらよいのか…」
「いやー、国内外からも多数の陳情があってね、この度無事に通せる運びになったから、お詫び方々直接君に伝えとこうと思ってさ。
本当のお祝いは後日届けさせてもらうよ。
恩に着せる訳じゃないけど、ここ、またどんどん利用させてもらうから、よろしくね。」
綺麗に平らげてお茶をすっと上品に飲み干すと、軽く手を合わせて「ご馳走様」と呟いた彼は、代金を置いて
「じゃあ、またねー!」
と、外に待たせていた黒服の屈強な男達と足取り軽く去って行った。
しばらくその場に立ち尽くしていた俺は、智に会いたい気持ちがどうしようもなく膨らんで、1分でも1秒でも早くあの笑顔に会うべく、慌てて片付けを済ませ、飛ぶように店を出た。
途中でアプリトークに気付いた。
『買い物してこなくていいよ。(ハートマーク)』
ん?ひょっとして…なんか作ってくれてんのか?
『りょーかーい!』の文字とスタンプを送信。
すぐに既読が付くと同時に『早く帰ってきてー』の涙目のうさぎのスタンプ。
くーっ、かわいすぎる。大きなキスマークのスタンプを二つ送って猛ダッシュした。
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