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第213話

暖かく柔らかな口内の余りの気持ちよさに、俺は一つ大きく息をして智の前髪を撫で上げた。 「お前の口ん中もメッチャ気持ちいいな…」 智は、ちらりと俺を見上げると、返事の代わりに舌先で小さな穴をグリグリと刺激してきた。 「うっ、こらっ、いたずらっ子め。」 それには答えぬまま、張り出した棒の側面に唇をつけたまま舌を這わされる。 微妙に触れる唇とダイレクトに伝わる舌先の当たり加減に、思わず腰が揺れる。 裏筋は甘噛みするように、二つの玉もしゃぶったり口の中で転がしたり、俺は智のやりたい放題にされている。 智が一度口を外すと透明な唾液が糸を引いて、なんとも言えぬ淫猥な光景に、俺は身震いした。 大きく深呼吸した智は、再び俺のものを口に含むと、口を窄めて上下に動かし始めた。 すっげー気持ちいい… 目を閉じて智の愛撫に身を任せる。 自然と腰が前後に揺れ、智の上顎や内頬を擦り抉り、「んんっ、んぐっ、んんっ」という智のくぐもった切ない甘い声が響く。 一際 嵩を増した俺自身が……智の口内で爆ぜた。 どくどくと溢れるそれをコクンと飲み干し、まだ滲み出る愛液を舌先で綺麗に舐めとってくれた。 俺は智の口からずるりと引き出し、口元を親指で拭い、涙で濡れた目尻にキスをした。 「メッチャ気持ちよかった…ありがとう、智。 今度は俺の番だよ。」 智は息を荒げたまま、涙で潤んだ目で俺を見つめている。

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