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第225話

「智… お前、一人で何抱えてんだよ。 お前の愛するダーリンが、ここに…いつでも側にいるじゃないか。 俺達…お互いに愛して愛されて愛し合って、お互いを必要としてるんだろ?」 黙りこくった俺を抱きしめる腕の力が強くなる。 その腕の温もりから翔の思いが伝わってくる。 大好きな匂いに包まれて、また涙が溢れてきた。 ぽとり…と翔の腕に涙が落ちた。 「智…お前、俺の何を見てるんだ? 一生離さない、離れないって誓っただろう? 俺は、もう、お前しか愛せない。お前しか愛さない。お前しか見えない。 なあ、お前が、じーさんになったら、俺だって じーさんだぜ。 お前だけが歳とっていく訳じゃないんだぞ。 俺がさ、頭禿げてさ、腹が出て、加齢臭臭くっても、お前見捨てないでくれるか? シワシワのじーさん同士でまだセックスできるかなぁ。 その頃にゃ、バイ◯グラ以上の薬できてるかもな。 もし、俺が勃たなくなっても、指と舌でイかせてやる自信はあるぞ。」 くっくっと笑うと 「俺だけ見てろ。」 翔は、腕を外し正面に回り込むと、俺を抱っこしてぎゅうぎゅう抱きしめた。 「智、甘えろ。甘えてこいよ。 俺は、お前の旦那だぞ?お前の全てを受け止める。 お前も…俺の全てを受け止めてくれ。 愛してる。愛してるよ、智。」

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