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第236話
「こちらが『ブライズルーム』…花嫁様の控室になります。」
「りん、このおへやすきっ!」
凛がぴょんぴょん跳ねている。
窓には白いサテンとレースのカーテン、白い家具に大きな鏡。猫足の高級そうなスツール。
あちこちに花が活けられている。
いかにも女の子が好きそうな部屋だよな。
「ふふっ、凛ちゃん気に入ってくれたんだね。
まだお部屋があるんだよ。見に行こう!」
「はーい!」
「こちらはご親族の控室…。同じ作りで、隣にもう一部屋ございます。」
遥さんの案内が続く。
「そして…こちらが新郎様用。甘さは抑えめにシンプルな作りにしています。
お好きなお部屋をご用意できますよ。」
「ねえ、はるかさん、どれすはどこ?」
「くっくっ、あっ、そうだね。
凛ちゃんにとっては、そっちがメインだね?
じゃあ、ドレスを見にいこうか?」
「やったぁ!しょう、さとし、はやくはやく!」
俺達はそっちのけで凛は遥さんに、みぎ?ひだり?と聞きながら先を急ぐ。
衣装部屋に着くと…凛の興奮はMAXになった。
「かっわいいーーー!」
遥さんは、凛に合うサイズのドレスを次から次へと出してきてくれる。
「凛ちゃんは何色が好き?」
「りんは…ピンク!」
「じゃあ、ここから…このへんかな…
こっちのハンガーにかけていくから、ちょっと見てくれるかな?」
「はいっ!」
おー、いいお返事。凛は目がキラキラ星マークになっていた。
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