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第237話

「では、お二人はこちらを…」 凛が遥さんを独り占めしているせいで、隼人さんが俺達の相手をしてくれる。 「余所の式場の数倍の衣装を揃えてますから、きっとお好みのものが見つかります。 お好みの色はありますか?」 「すごい数…選べるかな…ありすぎて迷うけど…俺は…やっぱり白がいいな…」 そう呟くと、翔は 「俺も白にしようかな。 『お互いの色に染まります』なんちゃってな。」 「ばーか…」 トンと胸を軽く叩くと、うれしそうに翔が笑った。 「 決めるのは次回の打ち合わせでもいいですか? なんか…もう既に感動しちゃって、いっぱいいっぱいで頭が回らなくって…」 翔が隼人さんに言った。俺もそう思ってたから、なんだかうれしくなった。 「もちろんですよ。時間帯でも見える印象が変わりますから。 お好きなものが見つかるまで、ゆっくり時間をかけてお決め下さいね。 ああ、凛ちゃんも迷ってるみたいですね。」 凛の声に混じって遥さんの低い声が絶え間なく聞こえてくる。 凛も相当ハイテンションになっているみたいだ。 「では、日時をいくつか決めてご連絡します。 それで、空いているところを押さえていただく…というので構いませんか?」 「はい。ご都合の良いようになさって下さい。 ご連絡お待ちしております。 私達は出来るだけご希望に添うようにさせていただきます。 なんでもご相談下さい。 では、最初の部屋へ戻りましょうか。」

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