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第241話
首を振って翔の唇から逃れる。
はあはあと息を切らしながら、突起を弄る左手を抓り、下着に侵入した右手を両手で引き剥がす。
「いてててっ。智、痛いっ。
商売道具の手がっ、酷いっ。」
「どっちが酷いんだ?止めろ。」
「だってぇー。智…エッチしたい…」
「『だってぇー』じゃないっ、明日から仕事!エッチはお預け。
もう…見境ないケダモノめ。」
「さーとーしぃ…抱っこしてぇ…ぎゅってしてぇ。
それで…我慢するから…」
「…本当に我慢する?」
「…我慢する…」
「本当だな?」
「…我慢する…」
ふぅーっと息を吐いて
「翔、お前の部屋に行くぞ。」
やったーー!
という声とともに俺の身体が宙に浮いた。
……抱っこされたのは、俺だった。
翔のベッドにそっと下ろされて、
「ぜーったい、絶対何もしないから、お前の体温を感じて眠りたい…お願い…」
目をウルウルさせて…眉毛も下がってるぞ、イケメン台無し。
大きくため息をついて、潔く上も下も脱ぎ捨てて布団に潜る。
あー、甘すぎる。甘やかし過ぎる。
でも…明日仕事でなければ、受け入れてたのは事実。
それを見て目をキラキラさせたかと思ったら、あっという間に一糸纏わぬ姿になって飛び込んできた。
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