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第242話
俺をぎゅぎゅっと抱きしめて、足も絡めた挙句、キスの嵐。
「おい、これ以上なんかしてきたら、速攻自分の部屋に帰るぞ。」
低い声で脅しをかけるとピタリと止んだ。
ん?ん?当たってる…ガチガチの塊が…
擦り寄せてくるな、ばか。
熱い…熱の塊…無視だ、無視…
「智…愛してるよ…」
ぶるっと身体が震えてる。
ばか、耳元でささやくな!
必死で平静を装うが、少しずつ俺自身が立ち上がるのがわかった。
ヤバい。煽られたら翔の思うツボだ。
このままいいようにヤられてしまうっ。
「智…」
「無理っ!無理、無理っ!!
喋るな!触るな!近寄るな!」
「智…酷い…人をバイ菌みたいに…」
「…ごめん…でも、お前のが当たって…」
「だって、智のこと、好きで好きで堪んないんだもん。仕方ないじゃんか。
…いいよ、当たるの嫌なら抜いてくるから…」
がっくりと肩を落とし、落胆の文字が大きく浮かんだ背中を見ていると、いじらしくてかわいそうになってきた。
言いすぎたし、拒絶し過ぎた…
「翔、ごめん、言い過ぎたよ。…こっち来て。」
振り向いた翔の目は潤んで、今にも泣きそうな顔をしていた。
俺は翔をベッドの端に座らせると、膝の間に屈みこんだ。
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