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第245話
まだ涙で潤んだオレの目尻にキスを落とすと
「ありがとう、愛してる。
俺、智のことが好きで好きで堪らない…
こんなの、ハタチも過ぎたいい大人が厨二病みたいだって、青くさいガキンチョみたいだって、自分でもおかしいんだけど、一日中お前のこと考えてさ、お前のいろんな顔思い出しては『あー、幸せ』って思ってる。
あ、もちろん凛のことだって忘れてないぞ。
今までこんなに人を愛したことないし、大切にしたいと思ったことなんてなかった。
昔は、守る者もないから、かなりヤンチャしたし(苦笑)
はっきり言ったら黒歴史だらけなんだけど。
お前のこと考えたら、身体が疼いて堪んなくなって、お前に触りたい、撫で繰り回したい、突っ込みたい、啼かせたい、って欲望が止まんないんだ。
ヤバイだろ?俺…
だから…
ウザくてごめんな、智。
愛してるよ…」
耳元で最後の『愛してるよ』だけささやいて、俺を抱きかかえたまま小さな寝息を立てて寝てしまった。
俺は、この尊大な肉食獣が呆気なく大人しくなったのに、ちょっと驚いて、それでも限りなく生まれる愛おしさに戸惑いを感じながら、大好きな男の胸に擦り付いて目を閉じた。
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