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第246話

いつもの月曜日が始まった。 行ってきますの『ちゅー』をいつもより長めにしてやると、翔はそれに気付いたのか、俺の唇をこじ開けて濃厚なキスを仕掛けてきた。 息が上がりかけて、そっと肩を押すと至近距離に大好きな顔が… 「…行ってきます。」 「行ってらっしゃい。」 「さとしぃ、ほんっとに ばかっぷる なのね…」 凛の溜息にも 「ふっ、羨ましいだろ。」と妙な余裕をかますと、 「べーつにぃー、ま、らぶらぶなのはいいことよっ。」 と軽くかわされて、凛はやっぱり小っちゃい大人だと、朝からこの会話はなんだと可笑しくなった。 いつものようにソツなく仕事をこなして、お待ちかねの昼休み。 夕べ ラ◯ンで連絡してたから、時間ピッタリに瑞季君が息急き切ってやってきた。 「智さん、よかったですね!橘さん直々で!」 「うん、ありがとう。電話もしてくれてたんだろう?ありがとうな。 橘さんに本当によくしてもらって…あの人達なら何でも相談できるよ。 今度衣装とか決めるんだ。チャペルもマジ素敵だった。」 「でしょ?絶対いいお式になりますよ!」 もぐもぐと頬張りながら瑞季君が微笑む。 瑞季君…なんかかわいい小動物みたい。 こりゃ、日向さんがナニしてナニするのも無理ないか。 って、他人の夜の情事を想像してる場合ではない。 俺達だってそうじゃんか。

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