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第247話
二人で盛り上がっていると
「俺も混ぜてくれー。」
と峰がやってきた。珍しい。
「おっ、峰、どうした?珍しいじゃん、こんな時間に。食いっぱぐれたか?」
「んー、タイミング外したらこんな時間に…。
それに…
最近、秋山に無視されててさ…」
「あー、そう言えば、最近つるんでないよな。
いっつも一緒に食ってたのに。
なんだ、ケンカでもしたのか?」
「いやー、そういう訳ではないんだけど…やっぱケンカか…」
と峰が瑞季君の方をチラッと見た。
瑞季君は、何か言いかけたが、口を噤んでしまった。
「俺がいると話しづらい?席外すよ。」
「いやいや、そうじゃないんだ。
んー……お前、結婚したから言ってもいいか…
あいつ、お前のこと好きだったじゃん…
でも俺さ…あいつのこと…好きだったんだ。
っつーか、今でも好きなんだけど。」
ん?翔も言ってたけど…いや、それはマズい。
峰が?秋山を?いつから?
「ちょっと…俺達、気まずくないのか…?
ごめん…謝るとこじゃないけど、お前、ずっと俺を見てイヤな想いしてたんじゃねーのか?
…好きだったとか言われても困る。
俺にはちゃんとパートナーがいるしっ!
あいつにはちゃんと会わせて、納得したはずだよ。邪魔しないって。
で?お前は?」
「二人で酔いつぶれた日があっただろう?
俺も記憶が定かではないんだが、どうやらその日にあいつを抱いたみたいなんだ…」
思わず箸を落とした。
えっ?その日って…おれん家にきた日のことだよな?
次の日俺達は仕事が倍増してエライ目に遭ったけど、秋山はしきりと『腰が痛い』『尻が痛い』と唸ってた…
「ん?抱いたみたい?
『記憶が定かでない』って?
『みたい』ってなんだよ、それ!」
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