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第249話

「……という訳で、なんとか解決策はないでしょうか?」 俺と峰は、早速課長を捕まえて会議室で相談中だ。 ボヤきながらも付き合ってくれる課長が女神様に見える。 ご丁寧にドアには『ミーティング中。立ち入り禁止!』の看板も釣った。 仕事中だが、峰の仕事の効率がゼロに近いので、課長に出番を請い願うしかない。 俺の今日の仕事はほとんど片付いている。 「君達…仕事中なんだけどさ… ま、峰が仕事にならないから仕方ないけど… …んー、他人(ひと)様の心を操る(すべ)はもってないからねぇ… 峰、真摯に向き合って、想いを伝えるしかないんじゃないの? 君…真剣なんでしょ? この人しかいない って思ってるんでしょ?」 「…はい。」 「恋愛ってさ、一目惚れか、徐々に好きになっていくか、ほだされるか… 両想いか、片想いか、両片想いか… 色々あるけどさぁ、自分の『好き好き』って感情だけじゃ、ダメなんだよねぇ。 恋と愛とはまた違うんだよなぁ。 恋はまだ見返りを求めてしまうけど、愛は与えるもの。無償なんだよ。 あのお姫様はなかなか難攻不落だよ。 峰、落とせるかい?」 「男ですから!落としてみせます! 俺を許して受け入れてくれるまで…真剣に…ぶつかります!」 「君がぶつかったら壊れちゃうよ。 うーん、力になれるかどうかわかんないけど…後は君の熱意と努力と手腕次第だな。」 「よろしくお願い致しますっ!」

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