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第255話
その優しい手の動きに、くすぐったさと欲望の色を感じて、思わずふるふると身体が震える。
翔は俺の目から視線を外さず、手だけを器用に動かし、届かない足先は俺の膝を折って撫でていく。
俺もその視線を受け止め、挑むように見つめ続けた。
ただ撫でられるだけで、既に身体は火照り中心が立ち上がっていった。
いつもなら恥ずかしくて、隠そうとしたり視線を逸らせたりするのだが、不思議と今日は、どんな自分も曝け出そうという覚悟みたいなものが生まれていた。
全身をくまなく撫でまくった翔は、
「智…俺を感じろ…」と呟くと唇に吸い付いてきた。
閉じた唇を舌先で突かれて、条件反射的に薄く開けたところから舌が侵入してきた。
ぐちゅっ、ぐちゅっ
頬の内側や歯列をめちゃくちゃに舐められて、飲み込めない唾液が口の端から溢れていく。
んふっ、んっ、んんっ
息苦しさと気持ち良さが甘い吐息に変わってくる。
止められない。
ふとキスを止めた俺達の唇からは、つ…と一本の糸が繋がっている。
なんとも淫猥な光景をぼんやり見ていると…
翔は鎖骨に何度も唇を寄せて、その度にぴりりとした痛みが走る。
ああ、また『俺の証だ』って赤い跡をつけてるんだろう…
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