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*第264話
街バスに乗り、足を伸ばして駅から少し離れた海鮮丼の店の行列の最後尾に並ぶ。
「秋山、なんでここ知ってんの?」
「さっき経理のおねーさんに聞いたから。」
いつの間に…
やることがいちいち隙がないっつーの。
「ふーん。」
俺の返事が不満気に聞こえたのか、
「あ、ナンパした訳じゃねーぞ。アラフィフのおねーさん、だからな。」
と慌てて否定してきた。
どれにしようかな…と外に出されたメニューや看板を見ながら迷いに迷う。
「やっぱこれだな、人気No.1の『名物海鮮丼』!
お値段も中々だけど、これ食べたいな。」
「俺もそう思ってた。これにする。
おい峰、お前奢れよ。」
「ん?なんで俺?」
「いいじゃん。お前の奢りな!ゴチ!!」
釈然としないまま1時間40分程待ってようやく俺達の順番がきた。
昼時間もかなり回っての昼飯に、腹の虫もぐーぐー鳴っている。
俺達はカウンター席へ案内された。
さすがに店内は満席。あちこちで写メったり歓声の声が上がっている。
まもなく目の前にきたのは…
「うっわっ、すっげー!」
手前に寿司ネタより分厚い刺身の柵がズラリ。種類は…全部違う!
カニ足を背にしてでっかい三尾のエビが鎮座!
真ん中にも刺身といくらがどっさり!!
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