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*第265話
ヒューっと秋山が口笛を吹く。
おい、場所考えろよ、ばか。
「すっげー、写真と一緒だ!
うっまそー。いっただきまーす!」
ガキンチョか、お前は。
あーあー、かぶりついて、口元に醤油ついてるじゃん。
あっ、あっ、ワイシャツに垂れたらどうするんだよ。取れねーぞ。
俺は秋山の『おかん』かっ。
気にしつつも俺も一口。うっめー!!
全く喋らず、ただただ口を動かす。
減り過ぎた腹には、上等過ぎる昼飯となった。
「あー、満腹!美味かったー。峰、ご馳走様。
今度来る時は、お礼にあのおねーさんになんか買ってこよーっと。」
「俺にお礼はないのかよ。」
「今言ったじゃん、『ご馳走様』って。」
「…それだけかよ…」
「さ、行くぞ!温泉!温泉!料理!ご馳走!」
あーあ、こいつホントに大人かよ。
溜息をつきながら移動を開始した。
「うわー、高そうな旅館!
課長、奮発したなぁ…でも何で?
あ、成績良かったから、ご褒美も兼ねてかっ!?
ラッキー!あのまま帰らなくて良かったー!」
能天気に喜んだまま、秋山がまとめてチェックインした。
「うわっ、離れ?ゴージャース!!」
「マジか…(課長、俺、プレッシャーです…)」
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