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*第274話

「秋山…名前で呼んでもいいか?」 声もなく、こくりと頷いて目を伏せる。 「…晃星…」 名前を呼ぶと、顔を上げて呟いた。 「…悠真(ゆうま)…」 瞬間、俺は、晃星の後頭部にグイッと手を回すと唇を重ねた。 最初は啄ばむように軽く、次第に ちゅくっちゅくっと音がし始め、舌を絡める濃厚なものへと変わっていった。 俺の胸元を掴む晃星の手に力が入る。 「んっ、んふっ、んんっ、んっ」 鼻に抜ける甘い声が俺を煽っていく。 口内を散々いたぶり、舐め回し、やっと唇が離れた時には、お互いの息が上がっていた。 「…悠真…お前、そーとーヤラシイな…」 「お前だって…俺を煽る天才だな。」 顔を見合わせて くすりと笑う。 俺は晃星を横抱きにすると、布団へと運んだ。 意外と軽くてびっくりする。 浴衣の紐を解き、前をはだけさせる。 シミひとつない白い肌に、割れた腹筋。 思わず声が出る。 「晃星、綺麗だ…」 「じろじろ見るなよ…めっちゃ恥ずかしい…」 「見るのがダメなら、触るぞ。」 はだけた上半身に手を滑らせる。 ピクリと反応したのが、また恥ずかしいのか、視線を逸らせて横を向いた。 滑らかな肌は上気し、ほんのりとピンク色に染まっている。 この色気、そこら辺の小綺麗な女も敵わない。

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