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*第284話
「悠真…お前、どの顔してそんな台詞吐くんだよ。
お前、やっぱロマンチストなんだな(笑)
俺は『姫』じゃないからさ、どこにも行かないよ。
なあ、お前今までこんな風に女の子口説いてたのか?」
晃星は、首を捻って俺を見つめると、揶揄うように尋ねてきた。
「ご期待に添えなくて残念だが、一度もないぞ。
お前が初めてだ。」
「ふえっ?まさか、付き合ったこと…」
「悪かったな、ないよ。
何度かその…専門の女とヤったことあるけど、それだけの話だ。
お前と出会ってからは…一度もないな。」
「ええっ!?二十代の有り余る性欲はどーしてたんだよっ??」
「…んー、自分で。」
「聞くの怖いけど…まさか…オカズは…」
「ふっ、決まってるじゃん、お・ま・え」
うっわぁーーーーー最低っ!と叫んで、晃星が暴れる。
ばちゃばちゃとお湯が跳ね、髪の毛もびしょ濡れになった。
「悪かったよ…でも好きなんだもん。お前と付き合うなんて夢のまた夢だったから…せめてロンリープレイぐらい許してくれよ。
俺だって男なんだからな。」
「だからと言って、俺をオカズにするなよっ。
ばーか。
…でも、もう、夢じゃないから。本物が…ここにいるんだぜ。」
そう呟いて俺に向き合うと、ちゅ とキスをした。
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