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*第285話

不意打ちのキスに心臓が踊る。 「晃星…んなかわいいこと言ってると、離してやれなくなる…」 晃星は、キスの続きをしようとする俺を制して 「言っとくけど、もう今夜はセックスはしないからな。 だけど、一緒の布団には寝てやるよ。 それよかさ、俺はお前のプライベートなこと知らないし、お前だってそうだろ? だからさ、色々聞かせてくれよ。」 と、笑いながら先に出て行った。 あぁ、今夜はお預けか… でも『一緒の布団』ならチャンスはあるかもな。 ちょいちょいっと構いながらキスして… まず髪の毛に、そしておデコに、整った鼻筋を滑って、唇に… 甘い雰囲気になったらそのまま押し倒して… ぐふふっ 溢れる妄想が爆発する前に風呂出るとするか。 いや、その前に… 再び頭をもたげた不肖の息子に手をやり、急いで抜いた後、排水溝に吸い込まれていく己の白濁を見届けて溜息をついた。 もう一度浴槽に身体を沈めて考える。 やっぱなんか飲み物欲しいな。アルコール度数の低いやつ。 酎ハイでもいいか。 確か、近くにコンビニあったはず。 ツマミとなんかあいつの好きそうなスイーツ買ってきてやろう。 さあ、夜はこれからだ! 俺は勢いよく風呂から出ると、鏡に映った俺を睨みつけ『しっかりしろよ』と気合を入れた。

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