286 / 516
*第286話
色々買い込んだ食料と飲み物を前に、目当てのスイーツがあったのか晃星が目を輝かせた。
「あっ、これっ、俺が食いたかったやつっ!
やったー!
俺、これ食っていいよな?な?」
子供のようなはしゃぎっぷりに、心の中でガッツポーズをして
「お前のために買ってきたんだ。遠慮なく食えよ。」
敢えてぶっきらぼうに答えてみる。
えへへ って何?その顔。かわいすぎて逮捕しちゃうぞ。
ぺりぺりとうれしそうに包装を剥がし、一口食べると、へにゃりと顔が崩れた。
かっわいいーーー!
ダメだ、俺の方が崩壊しそうだ…
慌てて酎ハイを…俺にとっては水に過ぎないが…一口飲んで気持ちを落ち着かせる。
晃星は、もふもふと口を動かしながら
「なあ、お前んちさぁ、兄貴夫婦いるって言ってたじゃん?ある意味フリーって。
俺と…男と付き合って大丈夫なのかよ。
家族、反対しないのか?」
「ああ、最近俺の父方の従兄が同性婚してさ、俺も結婚式出たんだけど、なぜかうちの親戚一同反対しなくって。
まぁ、基本的に能天気な一族なんだよ。
本人達が幸せならいいって。
兄貴の嫁さんだって、元ヤンの総長だぜ。
イケてるだろ?」
「へぇー、それはすごいな…」
「 肝っ玉座ってるし動じないし。兄貴にゃぴったりの嫁が来たって大歓迎でさ。
俺達ヘタレ兄弟だって、昔っから言われてたし。」
ともだちにシェアしよう!