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*第289話
手に触れる柔らかな塊に「?」が浮かび目を開けると…
目の前に恋焦がれた男の瞳が飛び込んできた。
「!?」
一瞬何がどうなったか思考回路が停止したが、徐々に昨夜の記憶が蘇ってきた。
「何慌ててんだよ。おはよ、悠真。」
「お…おはよ。起きてたのか?」
「んー。目ぇ覚めたら、ホールドされてて動けねーし、お前が気持ちよさそうに寝てたから…見てた。」
あんまりかわいくてキスしまくる。
ばーか、何すんだよー と言う晃星を置いて
「そろそろメシの時間か?あー、よく寝た。」と呟き、恥ずかしさを隠すように洗面所へ移動した。
朝ご飯も豪勢で、昨日今日で結構なカロリーを摂取しているような….いや、その分はしっかりと晃星とのラブ…
「おい、悠真!」
はっと我に返って晃星に微笑む。
「ん?どうした?」
「どうしたじゃねーよ。無駄に何ニヤけてんだよ。
これ、調査するとこの資料。一応プリントしておいた。
俺は、ゆっくりさせてもらうからな。
後はお前が足で稼げ。」
「えーーっ。なあ、晃星…一緒に行ってくれよー。
お前と一緒でないと…」
「なんだよっ。大の大人が何泣いてんだよっ!
このヘタレっ!
お前さぁ…頑張ってきたら…ご褒美あるかもよ?」
『ご褒美』?
俺は小悪魔のささやきに反応した。
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