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*第290話

小悪魔晃星にホイホイと乗せられて、俺は予定の半分の時間でリサーチを終え、予想以上の収穫を得て意気揚々と戻ってきた。 「晃星ー!たっだいまぁー!」 「早っ。お前、本当に仕事してきたのかよっ。」 ジト目で睨んでも怖くないぞ、ただ かわいいだけだからな。 「マジか…完璧じゃん。 悠真…お前、やればできる子だったんだな。」 パラパラと資料をめくりながら、晃星が感心したように呟く。 「じゃあ昼飯食ったら とっとと纏めちまおうぜ。 ちょっと歩いたとこに商店街があってさ、定食屋とか土産物屋とかあるし。 課長に地元の吟醸酒かなんかゴマスリに買ってかないと。あ、相沢にも。きっと課長から、俺達二人分の仕事押し付けられてるはずだよ。 西條にもな。お前、相談相手になってもらってたんだろ?」 「ああ、そうだな。 あー、相沢にも悪いことしたなー。あいつ定時で帰らなきゃいけないのに。」 「あいつなら何とかするだろう。 それに…スパダリが癒してくれるからいーんじゃないの?」 ん?その言い方、なんか引っかかる…胸に黒いモヤっとしたものが生まれた。 恐らく瞬間顔に出ていたのだろう、俺の不機嫌な顔に気付いた晃星は、両手を頬に当てるとキスをして 「別に深い意味はないよ。なーに拗ねてんだよ。」 真っ直ぐに俺の目を見て言った。 人の気も知らないで… チッ と舌打ちをすると、その手を掴み唇を重ねる。 すぐさま舌を侵入させ角度を変えながら、口内を蹂躙していく。 んふっ、んんっ

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