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第302話
あー美味かった!
食器も片付けて少し落ち着いてからコーヒーを入れる。
そのうち翔も帰ってくるだろうから、少し多めに。
「ただいまー」
ナイスタイミング!
「お帰り!」
「あ、智、起きたのか?身体、大丈夫か?」
抱きついてすりすりと頬を擦り付けてくる翔。
「もう…甘えんぼ。昨日は…ごめんな。構えなかって…もう、意識なかったから。
でも、この土日、どこにも出かけないで家でゆっくりするから。」
「……」
何か言いかけた翔とイチャイチャしかけて、ハッと気付く。
凛の視線…
「あさっぱらから…ばかっぷるねぇ。
りん、しばらくおへやにいるから。
あさごはんもさっきたべたばっかりだから、おひるごはんは まだいらないよ!
じゃーねぇー」
パタンとドアを閉めて行ってしまった。
お互いに目を合わせて…翔が俺を誘う。
「俺達もベッドに行こうか?」
了解の返事の代わりに、両手を広げて翔を待つ。
ひょいっと俺を抱きかかえると翔の部屋へ。
「あ、コーヒー…」
「後でいいよ。お前が先だ…」
耳元でささやかれて、思わず腰にクル。
しばらく我慢させたもんな…夕べだって、翔はシたかっただろうに、俺が意識不明の大爆睡だったから。
「翔…ごめんな…」
甘えるように擦り寄って謝ると、顎をくいっと上げられてキス。
「今から覚悟しといて。」
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