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第311話
「…ずっと前に…言われたことあります。
『大切にしたいのに苛めたくて堪らない』って…
そういうこと…なんですね…」
合点した。なんだ、そういうことなんだ。
俺のこと好きすぎて、好きすぎて、コントロールが効かないんだ。
「遥さん、ありがとうございます!
なんか…スッキリしました。
あれが…翔の精一杯の愛情表現の一つなんだって、受け入れることができそうです。
それに…翔が式や俺のこと、大事に思ってくれてるのがわかったので…」
「…よかった。
愛の形なんて、そのカップルごとに全然違うから。
世間で言う常識は、あくまでも外面で、自分達の世界があるからね…
ところで、今日はどうしよう?
落ち着いたら選んでもらってもいいんだけど、明日午前中に新作のタキシードがいくつか届くんだ。
本当は、今日それを見てもらおうと思ってたんだけど、間に合わなくって…ごめんね。
あの調子なら、今日は五十嵐君も決めかねてると思うけど。
もし時間があるなら、今日は凛ちゃんのドレスだけ決めて、明日その新作を見てもらってからお二人のを…というのはどうかな?」
「はい。そうさせていただいてもいいですか?
凛は決まりそうだし(笑)」
「届いたらすぐ連絡するよ。待っててもらえるかな?」
「はい!よろしくお願い致しますっ!」
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