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第314話

翔と凛が一緒に風呂に入った後、みんなで夕食を済ませ、凛の好きなテレビ番組が終わると、凛はお休みのちゅーをせがんで、スキップしながら部屋へ行ってしまった。 よほどドレスの試着がうれしかったらしい。 今晩、夢でお姫様に変身するんだろうな… 凛が居なくなって手持ち無沙汰な俺は、まだキッチンにいた翔に、風呂に入ると一声掛けてバスルームへ向かった。 翔は何か言いたげだったが、俺は敢えて無視した形になってしまった。 絶対何か勘付いてるはず。 『言葉』にしなければ…思っているだけでは伝えたいことは伝わらない。 素直にならなきゃ… リビングへ戻ると翔が待っていた。 「智…ここ来て」 言われるがままに座ると背中から抱き込まれた。 「ねぇ、智…俺、お前の嫌がることしたよね? 教えて。お願い。」 「…元々は俺が大切な約束を忘れてたのが悪かったんだ。 でも… お前が笑いながら、乱れる俺を見てたのがショックだった… なんかモノみたいな、ただの愛情のない出すだけのセックスみたいで…ドライでイったのも、あんな射精感が続くのも初めてで怖かったし…」 「…ごめん…そんなつもりは全然なかった… ちょっとお仕置きしてやろうって思って… ホントにごめん。大人気なかった。 何言っても言い訳になるから…ごめん。」

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