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第319話
いつの間にか拘束が解けて自由になった俺の手は空を切り、翔を求めたその手は、しっかりと掴まれた。
その手を軸にして、翔の打ち付けがますます加速していく。
あまりに深く入り込む滾った楔の存在の大きさに、自然と涙が流れた。
『お前が好きだ』
『全身全霊で愛してる』
『俺から離れるな、絶対に離さない』
言葉と身体から次から次へと注ぎ込まれる愛情に戸惑いながらも、全て受け入れる。
口から漏れる吐息が…熱い。
濡れた睫毛を瞬かせて目の前の愛しい男を見上げる。
逞しいその身体に一筋汗が流れ、俺の胸元に落ちた。
もうこの言葉しか出てこない。唇だけ動かして伝える。
ア イ シ テ ル
それを見て目を見張った翔は、ふっと微笑むと、耳元でささやいた。
「俺も愛してるよ」
手を離して俺の腰を掴んで高く引き上げると、ほぼ真上から楔を打ち落す。
「あああぁーーーーーーっ」
今までにない深さまで突っ込まれ、俺は目を見開き絶叫した。
そのまま何度も打ち据えられ気が遠くなりそうだった。
俺自身はびゅくびゅくと白い液体を自分の腹や胸に撒き散らし、激しく揺れ動いている。
ぐちゅりぬちゅっ そして パンパン という淫猥な音が 断続的に続き、俺の嬌声と翔の呻き声が響き、青臭い匂いが充満している。
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